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退職金の税金と確定申告



退職金の税金・確定申告

退職金退職所得)は他の所得と合算されない分離課税となっており、退職金が受給された場合は源泉徴収、または確定申告によって税金(所得税+復興特別税+住民税)を納付しなければなりませんが、その性質上、通常よりも税額が少なくなるように優遇されています。


 退職金の税金と確定申告



退職金を受給した場合、以下のように算出して税額が決まります。


「(退職金-退職所得控除)×1/2=退職所得」

「退職所得×税率=納税額」


勤続年数5年以下の法人役員の退職金は"×1/2"できません。


~退職所得控除額~


退職所得控除額は以下の通り、勤続年数が長ければ長いほど優遇されています。


・勤続年数20年以下・・・

「40万円×勤続年数=退職所得控除額」(80万円に満たない場合は80万円)


・勤続年数20年超・・・

「800万円+70万円×(勤続年数-20万円)=退職所得控除額」


上記の通り、退職所得控除額は最低でも80万円となりますので、退職金が80万円以下であれば退職金に税金(所得税+復興特別税+住民税)はかかりません。


障害退職の場合は上記の額から100万円が加算されます(障害者になったことが直接の原因で退職した場合)


勤続年数の端数がある場合は1年として計算します(例:30年と5ヶ月の場合は31年となります。30年と1日でも31年となります)。


具体的には・・・

勤続年数「27年と2ヶ月(28年と計算します)」の場合は・・・

「800万円+70万円×(28-20)=1,360万円(退職所得控除額)」


以上のようになりますのでこの場合、仮に退職金が1,360万円以下であれば退職金に税金はかかりません。


~退職所得の税率~


退職所得には通常通りの「所得税の税率」が課せられます。


具体的には・・・

「退職金2,200万円・勤続年数27年2ヶ月で、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していた場合」

「<2,200万円(退職金)-1,360万円(退職所得控除額)>×1/2=420万円(退職所得)」

「420万円×税率30.42%(所得税+復興特別税20.42%+住民税10%)=約128万円(退職金の納税額)」

となります。


2013~2037年(平成25~49年)までの25年間、"所得税額×2.1%分"が復興特別税として、増税されています(例えば20%の場合は20%×2.1%=0.42%分、つまり20.42%となります)。


~退職所得の納税方法~


退職所得は原則、分離課税として他の所得とは別々に計算され納税しますが、退職所得控除を受けるためには退職金を受け取るまでに「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しなければならず、この申告書を提出していれば退職所得控除が考慮されて算出された税金(所得税+復興特別税+住民税)が源泉徴収(住民税は特別徴収)されますので確定申告は不要となります。


一方、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しない場合は、退職所得控除を受けることができず、「退職金×一律20.42%が源泉徴収」されることとなりますので、退職金の額によってはかなりの額の税金(所得税+住民税)を納付しなければならなくなるのですが、確定申告すれば所得税が還付される可能性があります。


住民税の還付請求は認められません。

年途中で退職し、その後、就職していない場合、年末調整を受けていないので通常なら還付されるべき税金が還付されていませんので、確定申告することによって所得税の一部が還付される可能性があります。



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