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2007年7月31日

法人税とは?


法人税とは?
法人税とは、法人(株式会社・有限会社・協同組合など)が得た所得(売り上げから必要経費などを差引いた額)に課税される税金のことで、個人の所得に課税される所得税と並び、日本の租税体系の中心となる国税となっています。


-法人の種類-

一口に法人といっても、その種類はさまざまで、すべての法人が法人税の課税対象となるわけではありません。

◎普通法人

・株式会社
・有限会社
・合名会社
・合資会社
・医療法人
・相互会社
・企業組合
・中間法人(労働組合、管理組合など)
・日本銀行

普通法人は、全所得が原則、「法人税率:23.9%(資本金1億円超の法人)」で課税されます。

◎公共法人

・地方公共団体
・国民金融公庫
・住宅、都市整備公団
・住宅金融公庫
・日本道路公団
・日本下水道事業団
・雇用促進事業団
・国立大学法人
・日本中央競馬会
・日本放送協会
・NHK

など・・・

国や地方公共団体で運営されている公共法人の場合、「法人税は非課税」となっています。

◎公益法人等

・社団法人
・財団法人
・宗教法人
・学校法人
・社会福祉法人

など・・・

公益法人は、「公益に関する事業を行うこと、営利を目的としないこと、主務官庁の許可を得ること」が必要となり、原則、「法人税は非課税」となっていますが、収益事業から生じた所得には法人税が課税されます。

◎協同組合等

・信用金庫
・農業協同組合(農協)
・漁業協同組合
・森林組合
・生活協同組合
・労働者協同組合

など・・・

協同組合等は原則、法人税が課税されますが、「軽減税率」が適用されています(法人税の税率)。

◎人格のない社団等

・PTA
・同窓会

など・・・

人格のない社団は法律上の法人ではありませんが、税法上は法人とみなされ、収益事業から生じた所得には法人税が課税されます。

-法人税の計算(算出)方法-

法人税の税額計算(算出)方法

-法人税の申告-

法人税の場合、原則としてその会社の事業年度終了(決算期末)の翌日から2ヶ月以内に確定申告をしなければなりませんが、大会社(会計監査人の監査を受けなければならない会社)の場合は、3ヶ月以内に確定申告することとなっています。


2007年7月30日

法人税の税額計算(算出)方法


法人税の税額計算(算出)方法法人税の税額を算出するには、まずは「会計上の利益」を算出しなければなりません。

法人税上、「会計上の利益=法人税上の課税所得」とはならず、この会計上の利益を算出するために必要な、「収益・費用、損失」に申告調整を加えることによって、「益金損金」を算出し、法人税上の課税所得を算出することとなります。

基本的には・・・

「収益(会計上)=益金(法人税上)」

「費用・損失(会計上)=損金(法人税上)」

となるのですが、一部で収益となっても益金とならないものや、費用・損失となっても、損金に含むことができないものがあるのです。

具体的には以下のようになります。

-法人税額を求める順序-

◎会計上の利益計算方法

「収益(会社の売上高など)-費用・損失=企業利益」

しかしこれは会計上の計算ですので、この企業利益に法人税率を掛けるといった、単純にはいかないわけです。

この「収益と、費用・損失」に、「別段の定めによる調整(申告調整)」を加えることによって、法人税上の課税所得を算出することとなるのです。

つまり・・・

「収益に申告調整(加算・減算)を加える⇒益金

「費用・損失に申告調整(加算・減算)を加える⇒損金

となり、

「益金-損金=課税所得」

と、法人税上の課税所得が算出され・・・

「課税所得×法人税率-各種税額控除-法人税の中間納付分=税額」

となるのです。

具体的には、「交際費」は、会計上では費用・損失に算入、含むことができるのですが、法人税上では交際費は損金に算入、含むことができませんので、調整、いわゆる費用・損失から減算されて損金を算出することとなるのです(このことを損金不算入といいます)。

一定規模の会社の場合は、交際費の一定額が損金に算入できる場合もあります。

-収益となるもの-

・会社の売上高
・仕入に関するリベート収入
・有価証券の売却収入
・固定資産の売却収入
・受取利益
・受取配当

など・・・

この「収益」に申告調整が加えられたものが、「益金」となるのです。

-費用・損失となるもの-

・売上原価
・人件費(役員、従業員への給料等)
・減価償却費
・固定資産の売却損
・福利厚生費
・通信費
・旅費交通費
・交際費
・広告宣伝費
・租税公課
・消耗品費
・支払利息

など・・・

この「費用・損失」に申告調整が加えられたものが、「損金」となるのです。


2007年7月29日

法人税の税率


法人税の税率の説明法人税の税率は、「原則23.9%(平成28年現在)」となっていますので、法人税の税額計算(算出)方法によって求められた「課税所得」にこの23.9%を掛けることによって税額を計算することができます。

ただすべての法人に対して「23.9%」の税率が課せられるわけではなく、一部の法人の場合は税率が軽減されています。

-法人税の税率-

・普通法人・・・「原則23.9%

・資本金が1億円以下の普通法人(中小法人)の場合・・・「課税所得が800万円以下の部分については19%(800万円を越える部分については23.9%)」

・協同組合等・・・「すべての所得に対して19%

・公益法人・・・「原則非課税ですが、収益事業による所得がある場合は収益事業の所得に対して19%」(⇒収益事業

・公共法人・・・「非課税

・人格のない社団等・・・「課税所得が800万円以下の部分については19%(800万円を越える部分については23.9%)」

以上のように、一部の法人の場合は税率が軽減、または非課税となっています。

例えば、「資本金8,000万円・課税所得2,000万円の中小法人」の場合・・・

「800×19%+(2,000-800)×23.9%=438万8千円(税額)」

となり、この税額から、「各種税額控除・法人税の中間納付分」を差引いた額が最終的な納付額となります。

「課税所得×法人税率-各種税額控除-法人税の中間納付分=納付額」


2007年7月27日

法人が負担する税金


法人は「法人税」だけでなく、その他にもさまざまな、「国税地方税」を負担しなければなりません。

-法人が負担する税金-

◎国税

法人税
消費税
印紙税
登録免許税

◎地方税

法人事業税
法人住民税
固定資産税
地方消費税

以上のように法人は法人税だけでなく、さまざまな税金を負担しなくてはならないのです。


2007年7月26日

法人事業税


法人事業税の説明法人事業税とは、国内(都道府県)で事業を行う、または事業所(事務所)を有する法人に課税される地方税のことで、平成16年度から「外形標準課税」が導入され、資本金が1億円を超える法人の場合は税率が引き下げられました。


-法人事業税の税率-


法人事業税の税率
課税所得 税率
400万円以下 2.7%
400万円超~800万円以下 4%
800万円超~ 5.3%

上記は平成28年(2016年)の東京都の税率です。

資本金1,000万円以上、かつ3つ以上の都道府県に事業所(事務所)がある場合は、「一律9.6%」となっています。

複数の都道府県に事業所(事務所)がある場合は、課税所得を一定の基準に従って分割し、、「各都道府県」に納税します。

法人事業税の税率は以上となりますが、平成16年4月1日以降、資本金が1億円超の法人を対象に「外形標準課税」が導入され、税率が引き下げられています。

◎外形標準課税による税率(資本金1億円超の法人)


外形標準課税による税率
課税所得 税率
400万円以下 5%⇒3.8%
400万円超~800万円以下 7.3%⇒5.5%
800万円超~ 9.6%⇒7.2%



2007年7月25日

法人住民税


法人住民税の説明法人住民税とは、各地方自治体内(都道府県・市町村)において営業を行っている法人に課される「法人道府県税+法人市町村民税」を合わせた地方税のことで、課税基準は「法人税割・均等割」に分けられます(東京都23区の特別区内のみの法人は、2つを合わせた法人都民税を東京都に納めます)。

また個人に課せられる住民税(道府県民税+市町村民税)は、各地方自治体が課税額を算出するのに対し、法人住民税は「申告税」となっています。

-法人税割-

法人税割は、課税所得ではなく、法人税額を基礎として算出されます(法人税の税額計算(算出)方法)。

「法人税×税率」

◎法人税割の税率

資本金1億円以下、かつ法人税額1,000万円以下・・・

道府県民税5%+市町村民税12.3%

資本金1億円超、または法人税額1,000万円超・・・

道府県民税6%+市町村民税14.7%

都道府県、市町村によって税率は異なる場合があります。

-均等割-

均等割は、法人の「資本金・従業員数」などの法人の規模などに応じて税率が定められていますので、例え所得が赤字であっても課税されることとなっています。

◎法人道府県民税


法人道府県民税
法人の資本金 道府県民税
1,000万円以下 2万円
1,000万円超~1億円以下 5万円
1億円超~10億円以下 13万円
10億円超~50億円以下 54万円
50億円超~ 80万円


◎法人市町村民税


法人市町村民税
法人の資本金 従業員数 市町村民税
1,000万円以下 50人以下 5万円
50人超 12万円
1,000万円超~1億円以下 50人以下 13万円
50人超 15万円
1億円超~10億円以下 50人以下 16万円
50人超 40万円
10億円超~50億円以下 50人以下 41万円
50人超 175万円
50億円超~ 50人以下 41万円
50人超 300万円


道府県民税の場合、上記の2つに加え、預貯金等の利子などに課税される「利子割」もあります。

地方税の課税額は一定の範囲で各地方自治体に裁量権が与えられているため、地方によって税率が異なる場合があります。

2007年7月15日

贈与税とは?


贈与税の説明贈与税とは、個人から財産(土地・建物・現金・宝石など)を贈与()された場合に課税される国税のことで、贈与税には「基礎控除110万円」がありますので、年間110万円以下の贈与であれば、贈与税はかかりません。

贈与とは、個人が財産を相手方へ無償で与える意思表示をして、相手方が承諾することですが(口頭・書面どちらでもOK)、贈与税の場合、相手方の承諾があったかどうかが分からない場合は、贈与があったとものと見なされる場合が多いようです。

-贈与税が設けられた理由-

もしも相続財産を生前に贈与した場合、相続税がかからず、これを許してしまえば相続税の存在意味がなくなってしまいますので、相続税を補完する形で設けられたのが贈与税なのです(ですので贈与税は相続税法に規定されています)。

そのため、贈与税は相続税よりも税率が高く設定され、負担額が大きくなっていることが最大の特徴です。

また法人から財産を贈与された場合は、贈与税ではなく「一時所得」となり、「所得税・住民税(道府県民税+市町村民税)」の対象となります。

-贈与税の申告-

「1月1日~12月31日」の間に贈与を受けた場合、翌年の「2月1日~3月15日」までに、住所地の所轄税務署に対して、申告・納税しなければなりません。

人格のない社団等(PTA・同窓会など)、公益法人が個人から贈与を受けた場合にも贈与税の対象となる場合があります。

-贈与税の関連記事-

贈与税の税率と税額の計算方法(暦年課税)

相続時精算課税制度

贈与税の対象となる財産

贈与税のかからない財産

贈与税の配偶者控除

贈与税と節税

贈与の取り消し


2007年7月12日

贈与税の税率と税額の計算方法(暦年課税)


贈与税の税率と税額の計算方法(暦年課税)
贈与税の課税方法は、「暦年課税・相続時精算課税」の2種類あり、子供が贈与を受ける場合はこの2種類のうち、お得な方を選択できるようになっています。

ここでは従来からある、「暦年課税」の贈与税の税率と、税額の計算方法を説明しています。

-贈与税の税額の計算方法と税率(暦年課税)-

◎贈与税の税率と控除額(暦年課税)


贈与税の税率と控除額(一般贈与財産)
贈与された価格から各種控除(基礎控除・配偶者控除)を差引いた額 税率 控除額
200万円以下 10% -
200万円超~300万円以下 15% 10万円
300万円超~400万円以下 20% 25万円
400万円超~600万円以下 30% 65万円
600万円超~1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超~1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超~3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超~ 55% 400万円


一般贈与財産は、夫婦間、兄弟間、親子間(子が未成年)での贈与などの場合に適用されます。


贈与税の税率と控除額(特例贈与財産)
贈与された価格から各種控除(基礎控除・配偶者控除)を差引いた額 税率 控除額
200万円以下 10% -
200万円超~400万円以下 15% 10万円
400万円超~600万円以下 20% 30万円
600万円超~1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円超~1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円超~3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超~4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超~ 55% 640万円


特例贈与財産は親、祖父母等から20歳以上の子(その年の1月1日時点で)への贈与の場合に適用されます。


◎贈与税(一般贈与財産)の税額の計算(算出)方法

「(贈与された財産の価格-基礎控除(一律110万円)-配偶者控除(最高2,000万円))×税率-控除額=贈与税額」

具体的には、「贈与財産800万円・配偶者控除無し」の場合・・・

「(800万円-110万円)×40%-125万円=151万円」

となります。

また2人から贈与された場合、「贈与財産500万円+贈与財産700万円」の場合・・・

「(500+700-110)×45%-175万円=315万5千円」

となります。

この計算からも分かるように、贈与税は数ある税金の中でも、もっとも負担額が大きい税金といえるかもしれません。


2007年7月11日

相続時精算課税制度


相続時精算課税制度の説明相続時精算課税制度とは、親の財産を生前贈与により取得する場合に、相続時に精算することを条件に、納める贈与税が軽減される、平成15年に創設された制度のことで、贈与を受ける子供が、この「相続時精算課税」か、従来からある「暦年課税」のどちらかを選択できるようになっています(贈与税の税率と税額の計算方法(暦年課税))。

従来までの贈与税(暦年課税)の制度では、贈与税と相続税を完全に分離し、別々に計算し、税金を納めていましたが、親から子供への財産の移転がスムーズに行われるように、相続税と贈与税の一体化を図ったのが、この「相続時精算課税制度」なのです。

この「相続時精算課税」を選択すれば、贈与税が軽減されますが、相続時には、「相続財産+贈与財産」に相続税が課税され、そこからすでに支払った贈与税を差引きますので、結局のところ、相続税と同程度の税負担になることが予想されます。

また場合によっては、逆に不利になる場合もありますので、贈与を受ける場合は、どちらの課税方法がお徳かをよく考えることも大切です。

-相続時精算課税制度の適用対象者-

贈与を受ける場合に誰もがこの、「相続時精算課税」を選択できるわけでなく、以下に該当する場合にのみ、選択できるようになっています(適用外の場合は、従来からある暦年課税で贈与税額を計算し、納めることとなります)。

・65歳以上の親から20歳以上の子供(推定相続人)への生前贈与である

・子供が亡くなっている場合には、20歳以上の孫でもOK

・年齢は贈与年の1月1日現在の年齢となります

・住宅資金贈与の場合は、親の年齢は不問となります

-相続時精算課税制度の税額計算方法-

「相続時精算課税制度」には特別控除があり、同一人からの贈与が「生涯2,500万円まで」は贈与税はかからず、2,500万円を超えた場合は、「一律20%」の贈与税が課税されます(父から2,500万円まで、母からも2,500万円までが特別控除となります)。

また、住宅資金の贈与であれば相続時精算課税制度とは別に、住宅取得等資金の非課税制度の特例を受けることができ、平成29年9月までの契約であれば合わせて「2,500万円(相続時精算課税制度)+最高3,000万円(住宅取得等資金の非課税制度)=最高5,500万円まで」は贈与税はかかりません(特例を受けるためには様々な要件を満たさなければなりません)。

具体的な計算方法は・・・

「(相続財産+贈与財産)×相続税率-納めた贈与税=相続税額」

となり、もしも相続税の課税対象にならない場合は、生前贈与時に支払った贈与税が還付されます。

-相続時精算課税制度の申告-

相続時精算課税を選択する場合は、贈与を受けた「翌年の2月1日~3月15日」までの間に、「相続時精算課税選択届出書」を所轄の税務署に提出しなければならず、原則、1度「相続時精算課税」を選択した場合には、選択を撤回することはできません 。

また、父母ごとにどちらの課税方法を選択することは自由ですので、父からの贈与は「暦年課税」、母からの贈与は「相続時精算課税」とすることも可能となっています。


2007年7月10日

贈与税の対象となる財産


贈与税の対象となる財産
贈与税の対象となる財産は、「金銭・土地・建物・宝石」などの、すぐ想像できる財産だけではなく、「貸付金・営業権」などの経済的価値のあるものや、実際には贈与を受けていない、いわゆる「みなし贈与財産」なども、贈与税の対象となる場合があるのです。


-贈与税の対象となる財産-

◎著しく低い価格で財産を譲り受けた場合

1,000万円の評価額の不動産を100万円で譲り受けた場合など。

◎借金を免除してもらった場合

贈与税の基礎控除(一律110万円)以上の借金を免除してもらった場合など。

◎返済する能力がないのに親族から多額の借金をした場合

返済する能力がない、または返済する気がないのに、親から基礎控除(一律110万円)以上のお金を借りた場合など。

◎生命保険の保険契約者(保険料負担者)と満期保険金(個人年金保険・定期金)の受取人が異なる場合

保険契約者(父)・満期保険金受取人(子供)など。

◎生命保険の「保険契約者・被保険者・死亡保険金受取人」すべてが異なる場合

保険契約者(父)・被保険者(母)・死亡保険金受取人(子供)など。

◎不動産や有価証券(株券)などの名義変更をした場合

親の所有する不動産を子供名義で登記した場合など。

◎負担付贈与

土地等をローンの残高と共に譲り受けた場合は、その土地等の価額から引き継いだローンの残額を差し引いた残りが贈与税の対象となります。

など・・・


2007年7月 9日

贈与税のかからない財産


個人から贈与された財産すべてが贈与税の対象となるわけでなく、一定の財産の場合は贈与税がかからないこととなっています。

-贈与税のかからない財産-

・贈与税の基礎控除(一律110万円)以下の財産

・贈与税の配偶者控除が適用される場合(最高2,000万円まで)

・扶養義務者から受けた教育費、生活費(妥当な額)

・香典、歳暮、お見舞いなどの金品(妥当な額)

・公益事業を行う者が譲り受けた公益事業用の財産

・立候補者が選挙運動に関して譲り受けた財産(公職選挙法に違反しないもの)

・障害者、またはその扶養義務者が譲り受けた財産で一定のもの

・特別障害者(重度障害者)が譲り受けた財産で一定のもの

相続税の対象となるもの


-孫への教育資金贈与非課税制度-


2013年(平成25年)4月1日より2019年(平成31年)3月31日までの間、祖父母が孫(30歳未満)に教育資金を贈与する場合、1,500万円(1人あたり)まで非課税となる新制度が始まりました。


具体的には以下の流れとなります。

1:祖父母が銀行等の金融機関に教育資金を信託。

2:教育資金非課税申告書を金融機関を経由し、受贈者(孫)の納税地の所轄税務署長に提出。

3:受贈者(孫)は、払い出した金銭を教育資金の支払に充当したことを証する書類(領収書等)を金融機関に提出。


ここで教育資金として認められる項目は以下の通りです。、

・入学金
・授業料(学校以外の塾・習い事の授業料等は500万円まで)
・学校の活動費(遠足・修学旅行等)


2007年7月 8日

贈与税の配偶者控除


贈与税の配偶者控除についての説明贈与税は税率が高く、負担税額が大きくなることが多いのですが、生活を共にする配偶者に贈与した場合にまで贈与税を課すこととなると不公平ですので、一定の要件を満たした場合は、「贈与税の配偶者控除」が適用され、贈与税が掛からなくなっています。

-贈与税の配偶者控除の要件-

・婚姻期間(婚姻届を提出してから)20年以上(内縁関係は除く)

・贈与財産が居住用不動産である(居住用不動産を購入するための金銭でもOK)

・同じ配偶者から贈与税の配偶者控除を受けたことがない(同じ配偶者からの贈与税の配偶者控除は1度しか受けられないのです)

・贈与を受けた翌年の3月15日までに贈与された不動産に居住し、その後もその不動産に居住予定の場合(居住用不動産を購入するための金銭の場合も同様)

以上の要件をすべて満たした場合、「贈与税の配偶者控除として最高2,000万円」が受けられます(贈与税の基礎控除110万円をプラスして、実際は最高2,110万円となります)。

配偶者控除が適用され、贈与税額が"0円"となる場合でも申告は必要です。

相続開始前3年以内に受けた贈与は、相続税の財産に加えられることとなりますが、贈与税の配偶者控除を受けた控除額相当分の贈与財産はこれにはあたりません。


2007年7月 7日

贈与税と節税


贈与税と節税
贈与税は税率が高く、税負担額が高くなることが多いので、できるだけ贈与税の課税対象とならないようにしたいものです。

具体的にはどのような方法があるのでしょうか?


-贈与税の上手な利用法-

◎生命保険を考える

生命保険を契約している場合、「満期保険金」の受取人が保険契約者と異なる場合は贈与税がかかりますので、可能であれば保険契約者と満期保険金受取人を同一にしましょう。

「保険契約者(父)・満期保険金受取人(母)」

      

「保険契約者(父)・満期保険金受取人(父)」

もっとも、この方法は多くの方が行っていると思いますし、契約する時に保険会社などの方からも、贈与税のかからないようなアドバイスがあると思いますが。

また、満期保険金ではなく、死亡保険金の場合は、「保険契約者・被保険者・死亡保険金受取人」、すべてが異なる場合も贈与税がかかりますので注意しましょう。

「保険契約者(父)・被保険者(母)・死亡保険金受取人(子供)」

      

「保険契約者(父)・被保険者(母)・死亡保険金受取人(父)」

◎基礎控除を上手に利用する

贈与税には、「基礎控除:一律110万円」がありますので、この基礎控除を上手に利用すれば、贈与税をかなり節税、またはまったく贈与税を納めなくすることが可能です。

例えば、「1,000万円を一括で贈与する場合」・・・

「1,000-110×40%-125万円=231万円」

となりますが、

「100万円を10年に渡って贈与」すれば、贈与税はかかりません。

「100-110=-10万円」となり、非課税となるからです。

しかしこの方法は、明らかに「贈与税を回避する行為」となりますので、実際には贈与税の対象となる場合があります。

そこで、「毎年120万円ずつ贈与」すれば・・・

「120-110×10%=1万円」

となり、贈与税を支払っていますので、「贈与税を回避する行為」とはみなされないと思います(この場合でも多少金額を上下させたほうが良いかもしれませんが)。

上記は、「贈与税の税率と税額の計算方法(暦年課税)」で計算しています。

相続開始前3年以内の贈与財産は、相続税額を計算する際に算入されます。


2007年7月 5日

贈与の取り消し


贈与の取り消し贈与税は税率が高く、贈与された側にとっては負担税額が大きくなる場合が多いので、贈与した後になって、「やっぱり贈与や~めた」、といっても、原則、「贈与の取り消し」は認められません。

しかし以下に該当し、「贈与税をかけることが著しく負担の公平を害する」と認められた場合は、贈与の取り消しが認められる場合があります。


-贈与税の取り消し-

・贈与された財産の名義を元へ戻していること

・法定申告期限(贈与を受けた翌年の3月15日)までに取り消しが行われていること

・贈与財産が譲り受けた人の担保などに入っていないこと

・贈与財産を贈与時点以降、その他の税金の申告や届出の対象にしていないこと

・譲り受けた人が利息などを受け取っていないこと

以上すべてを満たしている場合にのみ、「贈与の取り消し」が認められる場合があるのです。

ですので、贈与する場合は、贈与しようとうする側はもちろん、贈与される側も事前に贈与税がどれほど掛かるのかを計算しておくことがとても大切になるのです(善意で贈与したにもかかわらず、高額な贈与税が掛かってしまい、思わぬトラブルに発生することもありますよ)。