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2007年4月29日

個人事業税


個人事業税の税率
個人事業税とは、2種類ある事業税のうち、個人に課税される「地方税直接税」のことで、法人に課税されるものは「法人事業税」となります。



-個人事業税の税率-


個人事業税の税率
事業区分 税率(%)
第一種事業(物品販売業・製造業・運送業・飲食店業・金銭貸付業など) 5%
第二種事業(畜産業・水産業・薪炭製造業など) 4%
第三種事業(税理士・弁護士・医師・司法書士・公認会計士など) 5%
第三種事業(医師・あんま・鍼灸など) 3%


個人事業税は上記のような税率となり、第三種事業の場合は、税率が分かれていますので注意しましょう。


-個人事業税の税額計算方法-

個人事業税の税額は、個人住民税と同じく、前年の事業所得を課税標準として計算することとなります。

また個人事業税には、「事業主控除:290万円」がありますので、具体的には以下の計算式で個人事業税を算出することとなります。

「(前年の事業所得(前年の収入-必要経費等)-事業主控除:290万円)×税率=個人事業税」

具体的には、「前年の事業所得:500万円/弁護士」の場合・・・

「(500-290)×5%=105,000円」

となります。

事業所得」の計算方法は・・・「事業所得」を参照してください(個人事業税の税額を算出する場合は、青色申告特別控除は適用外となりますので注意しましょう)。

前年の事業所得が290万円以下であれば、「個人事業税はゼロ円」となります。

年の途中で開業した場合は、事業主控除は290万円を月割りで計算した額となります。

-個人事業税の申告と納付-

個人事業税の場合、申告書の提出は「3月15日」が申告期限となりますが、所得税確定申告をした場合は、個人事業税の申告は必要ありません。

また個人事業税の納付は原則、「8月/11月」の2回に分けて納付することとなっています(納付通知書が送付されてきます)。


2007年4月20日

総合課税


総合課税の説明総合課税とは、10種類ある所得のうち(税法上は9種類)、他の所得と合計して、その合計額に対して、「所得税の税率」が掛けられて所得税額を算出する課税方法のことで、多くの所得がこの総合課税の対象となっています(分離課税)。


-総合課税の対象となる所得-

利子所得(源泉徴収(源泉分離課税)されるものを除く)

配当所得(源泉徴収(源泉分離課税)されるものを除く)

事業所得(株式等の譲渡等による事業所得を除く)

不動産所得

給与所得

譲渡所得(土地建物及び株式等の譲渡等による譲渡所得、源泉徴収(源泉分離課税)されるものを除く)

一時所得(源泉徴収(源泉分離課税)されるものを除く)

雑所得(株式等の譲渡などによる雑所得、源泉徴収(源泉分離課税)されるものは除く)

個人の場合、以上の所得を合計した金額が「総所得金額」となり、この総所得金額に対して、「所得税の税率」が掛けられて所得税額を計算することとなります。

ただ上記の所得の中でも、個人の場合は「源泉徴収(源泉分離課税)」となるものもありますし、個人が行う株式等の譲渡による所得は申告分離課税にするか、源泉分離課税にするか選択できるようになっています。


分離課税


分離課税の説明分離課税とは、その所得にかかる税金を他の所得と合計して計算せず、その所得単独で、分離して計算する課税方法で、分離課税はさらに「申告分離課税源泉分離課税」の2種類に分けられます(総合課税)。


土地建物など不動産を売却した場合や、個人が株式を譲渡した場合などは、この分離課税の対象となります。

-分離課税の対象となる所得-

退職所得

山林所得

・土地、建物の譲渡所得

・株式の譲渡所得

・郵便貯金、銀行預金の利子

・公社債の利子

・公社債投資信託や株式投資信託の収益分配金

・商品先物取引による所得

など・・・

-分離課税とする理由-

分離課税の対象となる所得は、毎年欠かさず発生する所得ではないものが多く、ある年に上記の所得が生じたからといって、他の所得と合算して税額を算出すると、その年だけ税額が大きくなってしまい、納税者の負担が大きくなるので、他の所得とは別々に計算し、税額を算出しているのです。

逆に、上記のような所得がある者は、「担税力(税金を納める能力)」、が高いと見なされて、税額を高くするために、他の所得とは別々に税額を算出するようにしているとも考えられますね。


2007年4月19日

源泉分離課税


源泉分離課税の説明源泉分離課税とは、2種類ある分離課税の1つで、得られた所得からすでに一定の税率によって税金が徴収されている、つまり、源泉徴収される分離課税のことです(申告分離課税)。

源泉分離課税の場合、すでに源泉徴収されていますので、私たちが所得税に関する手続き、確定申告をする必要がないのです。

源泉分離課税の代表としては「預金」があります。預金などの利子は源泉分離課税として、すでに一定の税金が差し引かれていますので(銀行が国庫などへ納める)、私たちが確定申告をする必要はないのです。


申告分離課税


申告分離課税の説明
申告分離課税とは、2種類ある分離課税の1つで、得られた所得を他の所得とは別に計算する課税方法のことです(源泉分離課税)。

申告分離課税の場合は、当然、確定申告する必要があります。


-申告分離課税の対象となる所得-

山林所得

・土地建物等の譲渡による譲渡所得

・株式等の譲渡所得

・一定の先物取引による雑所得

個人が株式の売却(譲渡)によって得た利益、所得の場合、原則はこの申告分離課税となりますが、上場株の場合は、源泉分離課税とすることも可能で、どちらを選択するかは個人の自由となっています(源泉分離課税とする場合は取引先の証券会社に申し込む必要があります)。


2007年4月18日

累進課税方式(超過累進課税方式)


累進課税方式(超過累進課税方式)の説明累進課税方式とは、課税所得額が大きいほど、より税率も高くなる課税方式のことで、日本では「所得税相続税贈与税」なども、この累進課税方式が採用されています。

日本では所得、収入が多い人は、それだけ税金を納める能力が高いということから、累進課税方式が採られていますが、一方では「収入が多い人、頑張った人の方が税率が高いということはおかしい!」という考え方があるのも確かです。

低所得者の場合は、「収入が多い人により多くの税金を負担してもらうのは当然だ!」と考え、高所得者の場合は、「収入が増えれば増えるほど税率も高くなるのはおかしい!」と思うようですが。。

-2種類ある累進課税方式-

累進課税方式には、「超過累進課税・単純累進課税」の2種類あり、日本では、「所得税・相続税・贈与税」など、超過累進課税方式が採用されています。

超過累進課税方式とは、課税所得(課税標準)が一定額以上になった場合に、その一定額を超えた部分のみにより高い税率を掛ける課税方式で、一方、課税所得が一定額以上になった場合に、その課税所得全体に高い税率を掛ける方式が「単純累進課税方式」なのです。

つまり、「所得×税率」から、それぞれの税率の控除額が決まっており、この控除によって超過累進課税となるようになっています。


2007年4月15日

源泉徴収


源泉徴収の説明源泉徴収とは、事業者(会社)などがあらかじめサラリーマンやアルバイト、パートの給料から、一定の税金(所得税・住民税(道府県民税+市町村民税))を差し引いて国(税務署・市区町村)に納税する制度のことです。

分かりやすくいうと、会社があらかじめ給料から「所得税・住民税」を差し引いた金額をサラリーマンやアルバイト、パートの方に支払う、会社が私たちの代わりに「所得税・住民税」を支払ってくれているのです。

ただ源泉徴収は、概算の所得税が差引かれているだけですので、「年末調整」によって、最終的な税額を確定し、所得税を多く支払っていた場合には還付されるようになっているのです(住民税は前年の所得に対して課税されるので還付はありません)。

そのため、サラリーマンなどの「給与所得」しか所得がない場合は確定申告の必要がないのです(他の所得もある場合は確定申告が必要となる場合があります)。

また事業者(会社)は、サラリーマンなどの総支給額(給料)が一定額を超えた場合(源泉徴収の月額表・日額表による)、源泉徴収する義務があり、これらの義務がある者を特に「源泉徴収義務者」といいます。

この義務を怠れば当然、「所得税法違反」となり、処罰の対象になるのです。

パートやアルバイトで、2ヶ月を超える場合は、「月額87,000円以上」、2ヶ月以内の場合は、「日額9,300円以上」であれば源泉徴収の対象となります(この場合、年末調整が受けられない場合がありますので、その場合は確定申告が必要となります)。

-源泉徴収のメリット-

・国としては確実に所得税を徴収できる

・個人としても確定申告の必要がない


2007年4月14日

年末調整


年末調整の説明年末調整とは、源泉徴収された税額(所得税)が必ずしも正規の税額とは一致しないため、年末に1年間の所得税を調整、正規の税額に計算し直し、その差額を徴収または還付(返還)する手続きのことです。

所得(収入)が事業者(会社)からの給料のみの場合は、会社が年末調整の手続きを行うことにより税額が確定しますので、本人が確定申告の手続をする必要はありません(還付される場合は、12月分の給料で還付されると思います)。

-源泉徴収税額と正規の税額が一致しない理由-

源泉徴収される所得税は、「源泉所得税額表」を基に、「年間を通じて毎月の給与の額に変動がないもの」として作成されていますが、この源泉所得税額表はあくまでも概算にすぎず、実際には1年間を通じて給料がまったく変わらないことの方が珍しく(残業・賞与(ボーナス)などによって)、また源泉徴収には各種控除が考慮されていないので、年末調整によって控除し、所得税を計算し直す必要があるのです(源泉徴収は仮の納税額なのです)。

配偶者特別控除生命保険料控除損害保険料控除」などは、基本的に年末調整の際に控除することとされています。

-年末調整の対象となる人-

・1年を通じて勤務している人

・年の途中で就職し、年末まで勤務している人

・年の途中で退職した人のうち、以下に該当する人

・死亡により退職した人

・著しい心身の障害のため退職した人で、その退職の時期からみて、本年中に再就職が出来ないと見込まれる人

・12月中に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人

・パートとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下の人(退職後、本年度中に他の勤務先等から給与の支払を受ける見込みのある人を除く)

・年の途中で海外の支店へ転勤したこと等により、非居住者となった人

-年末調整の対象とならない人-

・本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人

・2ヶ所以上から給与の支払いを受けている人で、他の給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を提出している人や、年末調整を行うときまでに扶養控除等(異動)申告書を提出していない人(年の途中で退職した場合でも、ここに該当する場合は年末調整の対象にはなりません)

・継続して同一の雇用主に雇用されない日雇労働者

・非居住者

-年末調整で控除されないもの-

所得控除のうち・・・

医療費控除
寄付金控除
雑損控除

など・・・

税額控除のうち・・・

住宅ローン控除(初年度のみ)
配当控除
外国税額控除
政党等寄付金特別控除

など・・・

以上の各種控除は年末調整で控除することはできませんので、還付を受けるためには確定申告が必要となります。

年末調整の対象とならない人は、確定申告が必要となります。

年末調整の計算締切日後、扶養親族が増えたり、新しく生命保険や損害保険に加入したことによって、控除額に変更があったり、また各種控除の適用を受けるのを忘れていた場合でも、前年よりさかのぼって5年間以内であれば、確定申告をして税金の還付を受けることが可能となっています。


確定申告


確定申告の説明確定申告とは、「1月1日~12月31日」までの所得額を、翌年の「2月16日から3月15日」までに所轄税務署に申告する手続きのことで、一定額以上の所得のある人は全て確定申告しなければなりません(郵送でも確定申告は可能となっています)。


しかし所得(収入)が給与所得のみの人(会社員・契約社員・パート・アルバイトなど)は、原則として、源泉徴収によって、あらかじめ所得税が差し引かれ、年末調整によって税額が確定しますので、確定申告をする必要はありません。

医療費控除など、税金の還付についての確定申告は、2月15日以前でも税務署で受け付けてもらえます。

確定申告をすると住民税(道府県民税+市町村民税)の申告も同時にすることとなります。

-確定申告が必要な人-

・個人事業主(農業・酪農・漁業・サービス業・医者・弁護士・作家・外交員など)

不動産所得のある人(家賃収入のある人など)

譲渡所得があった人(不動産・株式・ゴルフ会員権など)

一時所得があった人(懸賞、賞金、生命保険、損害保険の満期保険金など)

・給与所得者で年間2千万円超の所得のある人

・給与から所得税が源泉徴収されていない人

・2ヶ所以上から給与を受けている人で、従たる給与の収入金額と給与、退職所得以外の所得合計が20万円超の人(給与収入から年末調整で控除できる所得控除額を差し引いた残額が150万円以下、かつ、給与、退職所得以外の所得合計が20万円以下の時は不要)

・1ヶ所から給与を受け、給与、退職所得以外の所得合計が20万円超の人

・1年の途中で退職して年末調整をしていない人

・退職時「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人で、そのときの源泉徴収税額が正規の税額よりも少なかった人

山林所得があった人

雑所得があった人(年金、講演料、各種副業など)

・同族会社の役員、親族等で給料の他にその同族会社から貸付利息、家賃収入等の支払を受けている人(金額が20万円以下でも申告が必要)

など・・・

-確定申告をすれば税金が還付される人-

・医療費控除を受ける人

住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受ける人

・年末調整後に扶養家族が増えた人

・年の中途で退職して年末調整をしなかった人

・年末調整で生命保険、損害保険料控除を受け忘れた人

・災害や盗難にあった人

・国や特定団体などに寄付をした人

・予定納税額が確定申告額より多い人

など・・・

申告の納税額が少なかった場合は「修正申告書」を提出しなければなりません(加算税の対象となります)。

申告の納税額が多かった場合は、1年以内であれば「更正の請求」をすることが可能です。

確定申告が必要な人が申告をしなかったり、申告が申告期限(3月15日)を過ぎたり、申告が誤っていた場合には、「加算税・延滞税」の対象となる場合もありますので注意が必要です。

各種控除の適用を受けるのを忘れていた場合でも、前年よりさかのぼって5年以内であれば、確定申告書を提出し、還付を受けることが可能です。

「医療費控除(年間の医療費の額が10万円)・寄付金控除配当控除外国税額控除政党等寄付金特別控除雑損控除の所得控除、住宅ローン控除(初年度のみ)」などは、年末調整で控除することはできませんので、還付を受けるためには確定申告しなければなりません。


2007年4月13日

申告納税方式


申告納税方式の説明申告納税方式とは、原則として、納税者が税法に従って税額を計算し、申告することで納税額が確定する納税方式のことです(⇔賦課課税方式)。

もちろん税法に従って計算し、申告しなければならず、虚偽の申告をした場合には罰則の対象となりますので注意が必要です。

-申告納税方式に該当する税金-

◎国税

所得税
法人税
消費税
相続税
贈与税

など・・・

◎地方税

法人住民税
法人事業税
自動車取得税

など・・・


2007年4月12日

賦課課税方式


賦課課税方式の説明賦課課税方式とは、納税者の申告ではなく、「国・地方自治体(地方公共団体)」などが税額を確定する課税方式のことで、納税義務者に納付する税額が記載された「賦課決定通知書」が送付され、記載された税額を納めることとなります(⇔申告納税方式)。


-賦課課税方式に該当する税金-

自動車税
固定資産税
不動産取得税

など・・・


2007年4月11日

損益通算


損益通算の説明損益通算とは、複数の所得がある場合に、利益があった所得(黒字)と損失があった所得(赤字)を一定の順序に従って差し引き計算し、納付することができることです。

損益通算を分かりやすく説明すると、「赤字部分の所得を黒字部分の所得から差し引くことができるので、税額を軽減できる」制度なのです。

-損益通算の対象となる所得-

不動産所得
事業所得
譲渡所得
山林所得

総合課税だけでなく分離課税の所得も対象となります。

不動産所得も基本的に損益通産の対象となりますが、土地所得のための借入金利子がある場合は、その利子部分は損益通算することができない場合がありますので注意しましょう。

-損益通算の対象とならない所得-

配当所得
一時所得
雑所得
・生活に通常必要のない資産(別荘、書画、骨董品など)によって生じた損失

◎マイナスになることはない所得

給与所得
退職所得
利子所得


2007年4月10日

老年者


老年者の説明老年者とは、「12月31日時点で65歳以上」の人で、なおかつ、その年(1月1日~12月31日)の「年間総所得金額が1,000万円以下」の人のことす。

平成16年(2004年)までは、老年者の場合、「老年者控除」が適用されていましたが、平成17(2005)年以降廃止となりました(住民税については平成18年以降)。

また老年者の場合、「年間総所得金額が125万円以下の人は非課税(非課税措置)」となっていましたが、これも平成18年(2006年)以降廃止となりました。

しかし老年者控除が廃止されたことから、老年者の方は従来まで適用外だった、「寡夫控除寡婦控除」が適用される場合がありますので、確認しておきましょう!


2007年4月 7日

収益事業


収益事業の説明収益事業とは、公益法人等(NPO法人・宗教法人等)が以下の33種類のいずれかに該当する事業を行い(付随して営まれるものを含む)、かつ、「継続的・事業場を設けて事業を行っている」ことで、「収益事業」とみなされた場合は法人税が課税されることとなります。

公益法人は本来、「営利を目的としないこと」とされていますので、原則、法人税が課税されませんが、以下のような営利を目的とした事業を継続的に行った場合には、その事業の所得に法人税が課税されることとなるのです。

-収益事業の種類-

・物品販売業(宗教法人のお守りやお札の類の販売、学校法人の教科書など教材の販売は除く)
・不動産販売業
・金銭貸付業
・物品貸付業
・不動産貸付業(宗教法人の墓地の貸付等は除く)
・製造業
・通信業
・運送業
・倉庫業
・請負業
・印刷業
・出版業
・写真業
・席貸業
・旅館業
・料理店業その他の飲食業
・周旋業
・代理業
・仲立業
・問屋業
・鉱業
・土石採取業
・浴場業
・理容業
・美容業
・興行業
・遊技所業
・遊覧所業
・医療保険業
・技芸・学力教授業
・駐車場業
・信用保証業
・無体財産権の提供業

例えば・・・

宗教法人が不動産貸付業、金銭貸付業を行っていたり、飲食業などを継続的に行っている場合などは、収益事業とみなされ、その所得には法人税が課税されるのです。


2007年4月 6日

益金


益金の説明益金(えききん)とは、法人税法上の収益(売上高など)のことですが、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算された収益」に、「別段の定めによる調整(税務調整(申告調整))」が加えられるため、会社決算上(会計上)の収益と、法人税上の益金は必ずしも一致しないのです。

この益金から「損金」を差引いた額が「課税所得」となります。つまり、会計上の考え方と、法人税上の考え方が異なるのです。

-益金?収益?-

◎会社決算上(会計上)

「収益-必要経費(費用・損失)=利益」

◎法人税上

「益金(収益に税務調整が加えられた額)-損金(費用・損失に税務調整が加えられた額)=課税所得」


2007年4月 5日

損金


損金の説明損金とは、法人税法上認められている「費用・損失」などのことですが、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算された費用・損失」に、「別段の定めによる調整(税務調整(申告調整))」が加えられるため、会社決算上(会計上)の費用・損失と、法人税上の損金は必ずしも一致しないのです。

また、その会社の事業年度終了(決算期末)までに確定していないものは損金としては認められません(一部のものを除く)。

-費用・損失?損金?-

◎会社決算上(会計上)

「収益-必要経費(費用・損失)=利益」

◎法人税上

「益金(収益に税務調整が加えられた額)-損金(費用・損失に税務調整が加えられた額)=課税所得」

益金とは?

-交際費は損金?-

交際費は会計上は費用にあたりますが、法人税上は、原則的に損金に算入されません(一定規模の会社の場合は、一定額が損金に算入できる場合もあります)。

一方、個人(個人事業主)の場合、交際費は必要経費に算入できることとなっていますので、法人税上と所得税上では考え方、捉え方が異なっているのです。


2007年4月 4日

税務調整(申告調整)


税務調整(申告調整)の説明税務調整(申告調整)とは、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算された収益や費用・損失(会計上)」に、「別段の定めによる調整(加算・減算)」を行うことで、この調整によって算出された額が、「収益(会計上)⇒益金(法人税上)」、「費用・損失(会計上)⇒損金(法人税上)」となるのです。

会計上と法人税上では、「利益(課税所得)」の捉え方が異なりますので、会計上の「収益・費用、損失」から、法人税上の利益を算出するために調整(加算・減算)することが税務調整(申告調整)なのです。

税務調整(申告調整)を行うことによって、法人税の課税所得が以下のように算出されるのです。

「益金(収益に税務調整が加えられた額)-損金(費用・損失に税務調整が加えられた額)=課税所得」

-税務調整(申告調整)の種類-

◎益金算入

益金算入は、「特定受贈益」などのことで、会計上は収益になりませんが、法人税上は益金に算入、含まれます。

◎益金不算入

益金不算入は、「受取配当金」などのことで、会計上は収益に算入できますが、法人税上は益金に算入、含むことができません。

◎損金算入

損金算入は、「各種所得の特別控除」などのことで、会計上は費用に算入できませんが、法人税は損金へ算入、含まれます。

◎損金不算入

税務調整(申告調整)の中でもっとも重要なウエイトを占めるのがこの損金不算入です。

損金不算入は、「交際費」などのことで、会計上は費用に算入できますが、法人税上は損金へ算入、含むことができません。

法人税上ではこの「損金不算入」の項目、額が大きくなるため、会計上は赤字でも、法人税上は黒字になったりすることが多いので、経営者の方にとっては頭を悩ます問題の一つではないでしょうか。